タグ:ブルックナー ( 1 ) タグの人気記事

音楽を超えた恍惚境へと

ヴァント(ギュンター)のブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
いやあ何だか…普通過ぎて、ベルリンフィルってこの程度じゃないやろ?録音が悪いからかな?

ウ゛ァントらしい真っ直ぐに鋭くブルックナーの本質を突く明晰なる解釈に基づく、無駄な贅肉を一切そぎ落とした美しく引き締まったストイックな演奏…を期待してたんです。最初に買ったこのチクルスの五番は「何なんだ、この異常な緊張感とスケールのでかさは」と絶句する様な名演で期待したんだけどなあー…まず金管のアンサンブルが量感はあるけれどダラーっとした表情の無い燃焼度の低い演奏…弦は薄く存在感が希薄でしょうね、チェロ、コントラバスの元気の無さは素人でも解るんじゃないかな。合奏能力の低下は(この曲の解釈は別問題として)七十年録音のカラヤン指揮のEMI盤を聴くと唖然…昨今のベルリンフィルの不評は一人ラトルの責任じゃないよね。録音も悪い!上記のカラヤン盤が(会場は違うが)三十年以上前の録音なのに豊潤で分離も良い。同じ会場で録音されたポリーニ&アバドのブラームスやベートーベンほど酷くはないがモヤーっとしてフォーカスの甘い絞まらない音です。とは言え…聴きやすく無難な演奏なんで…今までブルックナーを聴いた事が無い人には入門盤として奨めるのは良いかなと…腐ってもウ゛ァント、ベルリンフィルですから。

さすがヴァント&ベルリンフィルです

定評あるヴァント、ベルリンフィルのコンビによる一連のブルックナーシリーズですが、今般は4番です。
手堅いのですが、スコアを深く読むことで定評あるヴァントの指揮は、ブルックナーの4番についても、ブルックナーのスコアから、重厚な箇所は重厚に、美しい旋律は美しく、極めてシンプルに、しかし、忠実に、オケに指示しています。そして銘器ベルリンフィルも、その指揮に応え、非常に聞き応えのある音を鳴らしてくれています。
こういう重厚にして、美しい音楽を聞くと、クラシック音楽を聴いていて、本当に良かったなあと思わせてくれます。録音が新しいせいもあり、音質が良いのも特記すべきです。ブルックナーファンであれば、一聴に値するアルバムだと思います。

出色の出来

ヴァントのブルックナーは4、7、9番を持っていますが、中でも4番の出来栄えは出色と言えるでしょう。演奏、録音ともにブルックナーの世界を遺憾なく映し出しています。
それにしてもブルックナーというのは不思議な音楽家ですね。初めて聴いたときは退屈で眠たくなるだけでしたが、後から少しずつ利いてくる。美しい旋律がここかしこにちりばめられていることに驚かされる。それを見つけたときの喜び。そして人は次第にブルックナーの音楽のとりこになってしまう。
音楽を超えた恍惚境へといざなってくれる名盤だと思います。

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
キャンバストート
[PR]
by ikairon1 | 2011-05-11 01:20 | 音楽