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ドビュッシーのコモンズ スコラ ヴォリューム
充実の内容

既にある親切なレビューで内容、選曲についてすべて言い尽してます。詳しくそちらを参考にして頂きたい。教授が最も影響を受けた音楽家ですので、『バッハ』『ジャズ』を価格面で購入を控えた教授ファンにもおすすめ出来る巻だと思います。『バッハ』は膨大な作品数からの選曲で、『ジャズ』は60年代初期までで1巻のみの割当てでは不満の残る内容でしたが、『ドビュッシー』はそれに比べると(短命ということもありますが…)1巻で充実の内容です。クラシック初心者の私にはドビュッシーの代表作品が年代順にバランスよく選曲されているのは有難かったです。音楽全集は恐らく日本初となる企画で私は鼎談と原典解説を読ながらじっくり聴きこむのはお金にかえられない満足があります。三島由紀夫はかつて文学全集について、「文学全集が与える意義というのは、自分はある権威あるいは反権威に追従して、その権威あるいは反権威に参加するというよろこびであっただろう」と語っています。スコラの門徒になるのもこの時代いいと思います。

ドビュッシーの音楽は現代につながる

 バッハ、ジャズに続いて第3巻はドビュッシー。「スコラ」のコンセプトとしては三巻中ではベストの出来です。坂本龍一が「人生でもっとも影響を受けた音楽家」というドビュッシー。
 選曲が興味深い以上に、浅田彰や小沼純一と日本の作曲家や映画などに飛ぶ解説的対話が面白いし、坂本が『海』は第2楽章が素晴らしいけれども第3楽章で、普通に盛り上げてしまって手抜きしたんじゃないかと意見しているあたりも、楽しいです。
 ドビュッシー自身のピアノ演奏も聞けます。「テンポが揺らぎ、ほとんどフリー・ミュージック」(坂本の発言)。小沼純一は「ドビュッシーにはゴシック趣味もありますね。ポーの『アッシャー家の崩壊』をなんとか作品化しようとして、結局未完に終ってしまったりとか、それはちょっと面白いところだと思います」と発言。つい最近(2009年9月24日)、青柳いづみこさんが『アッシャー家の崩壊』を公演しましたね。
 ドビュッシーは印象派という枠組みに入らない現代音楽家だったんだなと感じました。
 オペラDVDではブーレーズの『ペレアスとメリザンド』の歌手がイギリス人ばかりで、なぜフランス人ではないのか不思議でしたが、「スコラ」でドビュッシーの「イギリス好き」に触れており、ブーレーズも意識的に配役をイギリス人にしたというのを読んで納得。
 スコラ第4巻はラヴェルだそうです。スコラではラヴェルは擬古典主義という評価ですが、擬古典主義は映画音楽に流れ込み、映画音楽の分野で華開いたと思います。トーキーが1927年の発明ですから、ラヴェルは映画音楽も書いています。ドビュッシーはトーキー以前に亡くなってしまったので、当然映画音楽はありませんが、存命だったらきっと関心を示したでしょう。ミッシェル・シオンは「ドビュッシーの音楽が影響を与えたのは、ホラー映画においてである」と言っているそうです(「スコラ」の断章より)。

コモンズ:スコラ ヴォリューム3 サカモトリュウイチ セレクションズ ドビュッシー
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by ikairon1 | 2011-05-10 20:38 | 音楽